交流演奏会 実行委員インタビュー

みんなが楽しめる「交流演奏会」を通じて、邦楽を続ける仲間や居場所をつくりたい

開催概要

開催日時

2024年8月11日(日)11:00~18:00

会場

池田市民文化会館アゼリアホール

参加団体

鹿児島大学学友会邦楽部 / 関西学院大学文化総部邦楽クラブ / 京都橘大学箏曲部 / 京都大学邦楽サークル叡風会 / 岐阜大学邦楽部 / 信州大学箏曲サークルことこと / 東北大学学友会邦楽部 / 同志社大学法学部 / 名古屋市立大学邦楽部 / 広島大学邦楽部

備考
8月10日
合奏練習・講習会開催 会場:玉水記念会館
8月12日
交流会開催 会場:同志社大学新町キャンパス

コロナ禍で無くなった交流を再び

はじめに自己紹介をお願いします

大阪大学大学院1回生で、この演奏会の実行委員長をしています。楽器は箏と十七弦で、邦楽は中学から始めて10年になります。

京都女子大学3年生です。楽器は箏と十七弦を弾いていて、今年で6年目です。

演奏会の開催を考えたきっかけを教えてください

昨年度までは「全国学生邦楽フェスティバル」が毎年京都で開催されていて、大学生が集まる機会になっていました。私たちより上の世代の方々を見ていると、そこで毎年交流を深めて「卒業後もみんなで一緒に続けていきましょう」という流れがありました。
でも今の大学院1回生や社会人1年目の世代は、入部当初からコロナの影響を受けていて、他大学との交流以前に学内での活動もあまり活発でないようなところも多かったんです。そんな中で追い打ちをかけるように、邦楽フェスティバルでの交流の機会もなくなってしまって。
でも各団体が個別で新しいイベントを起こすのは難しいですから、全国の大学生が交流できる場を協力してつくれたら良いなと思ったのがきっかけです。

困難を乗り越えて、初の開催へ

メンバーはどうやって集めましたか?

まずは去年の秋頃に、各地で活発に活動している連盟や団体に協力してもらい、交流演奏会の立ち上げに興味がある人がどれくらいいるのかをリサーチしました。
そこで手を挙げてくれた方たちと一緒に、開催を目指すことになりました。実行委員会には今、10名ほどのメンバーがいます。
今回の実行委員は昨年の邦楽フェスティバルで出会ったメンバーが主なので、これまでの流れがあったからこそ実現できていることだと思います。

開催までには、大変なこともあったのでは?

初の試みなので、何が起きるのか全くわからなかったですね。実行委員も集まってくれたものの、どれだけ仕事があるのかがはじめはわからない。予想外の忙しさから途中で委員をやめてしまう人もいましたし、開催直前まで先が見えなかったんです。前日・当日もバタバタですし(笑)。
仕事配分にも苦労しましたね。みんなそれぞれ自分の部活の定期演奏会の準備や練習で忙しいし、もちろん学業もありますし。どこまで人に仕事を振っていいのかがわからず、でも自分でやりすぎるのも良くないし、その辺りの配分が難しかったです。

レベルや流派の違いも越えて楽しむ

プログラムのこだわりについて教えてください

基本的にプログラム(選曲)はほとんどがエントリー制なのですが、講習会・合奏練習の6曲はこちらで決めました。その中には、楽器別で演奏する曲とそうでない曲とを織り交ぜています。
同じ楽器でも、ジャンルや流派によって色々と違いがあります。一方で、別の楽器のことは何も知らなかったりもします。そういった部分をお互いに知り合う機会になれば良いなと考えました。 
またこういったイベントでは、ある程度弾ける人以外は参加しにくい印象があります。そこで始めてから日の浅い方でも参加しやすいよう、易しめの曲をみんなで演奏する企画も取り入れています。そして積極的に集まってくれる上級者に向けた、ハイレベルな曲の講習会も企画しました。
さまざまな経験年数や楽器・ジャンル・流派の人がみんなで楽しむことができれば、という思いを込めたプログラムです。

最終日には後夜祭もあるんですね。

後夜祭では、演奏会本編の参加者以外も加われる企画を⽤意しました。何曲か⽤意した中から各⾃やってみたい曲を選び、「はじめまして」のメンバーで合わせてみて、最後にミニ演奏会を⾏って終わる形です。曲⽬は、あらかじめ共有した弾いてみたい曲や、前日の交流演奏会の曲を中心に、参加者で当日に決めました。
OGOBと現役生の交流の機会になると思いますし、「演奏会」というと敷居が高く感じる方も、後夜祭には気軽に参加してもらえれば良いなという狙いです。

一緒に続ける仲間や居場所をつくる

交流演奏会の魅力はどんなところでしょう?

同じ邦楽の団体でも、教えてくださる先生によって演奏するジャンルに偏りがあったり、内部の空気感に違いがあったりとさまざまです。それに、学生が他の方の演奏を聴きに行く機会は、よほど好きな人でなければそう多くはありません。
ラフに参加できる「交流会」というスタイルであれば、学生同士お互いの演奏を見聞きする体験を通して、普段触れられない曲目や他団体の温度感を知ることができる。そこが良いところかなと思います。
そして交流の機会が増えれば、部活以外でも仲間や居場所をつくることができます。団体によってはなんとか存続しているようなところがあったり、活動について悩んでいる人もいたりしますが、その中でも熱意のある人が楽しめるような場ができたら嬉しいですね。
それに一緒に楽しめる人がいれば、社会人になってからも邦楽を続ける意欲につながると思うんです。大学卒業後も続ける人はコロナ禍以降で減ってしまったと感じていますが、それがもう一度、増えていったら良いなと思っています。